2023.09.21.
再生可能エネルギー
【トーヨーエネルギーソリューション】全国に先駆けて木質チップから水素リッチでクリーンなガスを直接生成
株式会社トーヨーエネルギーソリューションでは、商用プラントでは全国に先駆けて水素リッチでクリーンなガスを木質バイオマスから830℃程度で運転するガス化炉にて直接生成することに成功しました。
■取り組みについて
当グループで運営している輪島バイオマス発電所で運転調整を重ねた結果、営業運転規模でのタールがほぼ分解された水素リッチでクリーンなガス生成を実現しました。
当発電所では、タール分解はメタンガス濃度でも確認できます。メタンガス濃度について設計濃度の値と比較し2割以上低い値を維持し、先行している欧州実績以上の良好な数値を実現しています。また、チップ消費量においても、設計値と同じガス量、水素ガス濃度を設計の8割程度のチップ量にて実現に成功し、20%のチップ量の削減が出来ました。
次のステップとして、木質以外のバイオマスからのガス化による水素リッチでクリーンなガス生成に取り組んでいきます。
バイオマスからの水素リッチガス生成には、これまでタールの分解がすべての課題と言っても過言ではありませんでした。これまでも、プロセス上はタール分解の理論はすでに確立 し、触媒での分解や1000℃以上での熱分解、ガス化前での炭化炉における燃焼等により実証プラントで成功している例はありますが、商用施設として建設されたプラントでは見当たりません。当社技術では、国内産木材に合わせたプロセス調整、エンジニアリングのうえで、商用プラントで全ての温度測定点で950℃を越えることなく木質バイオマスを直接ガス化炉でガス化しタールの分解をすることに唯一成功しています。
※当社採用技術では下水汚泥の適用に関しても欧州で良好な運転データがあり、国内ではタールの分解に課題のある下水汚泥からの水素製造を目的としたガス化に関しても低タール運転が可能となります。(これまでも、水素リッチなガス生成には成功している技術もありましたが、タール分解が未達成でした)タールを分解できる技術の確立は、木質チップ以外のバイオマスからの水素生成も同様に行うことを可能にします。
※欧州にて準商用規模のプラントで実績のある農産物残渣の類似物である草本系バイオマスからのガス化も可能です。
※欧州では、水素ガス濃度70%を実現するガス化炉の開発が進行中で、すでにガス生成に成功しています。国内でも当社の商用プラントでタール分解を唯一実現した技術により、同様に水素濃度70%の実現は可能です。
■今後について
トーヨーエネルギーソリューションでは、TOYOグループとともに同技術の活用の各分野でのパートナー企業を求めていく予定です。いくつかの、技術応用を同時に進めていき今後のバイオマスからの水素製造に弾みをつけるものとなります。
また、トーヨーエネルギーソリューションでは、TOYOグループと筑波大学と共同で設立した大学発ベンチャーである株式会社アイクスのAI技術を活用して、ガス生成の最適化やメタン発酵の発酵槽の最適化とAIによる運転支援技術の開発も進めています。
TOYOグループでは、低炭素社会の実現にむけて、カーボンニュートラルより一歩踏み込んだカーボンネガティブの達成を目指してまいります。
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